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黄色いマンション 黒い猫/小泉今日子



「キョンキョンのあまりの文のうまさと、あまりの暗さに驚く。底知れぬ美しい暗さだ」

この本の原型である『原宿百景 (SWITCH LIBRARY)』の帯に、吉本ばななが寄せた一文です。

言いえて妙だと思いました。まさに読後感は「底知れぬ美しい暗さ」です。彼女の身近な亡くなった者の話が繰り返し出てきます。愛猫、父親、幼なじみ、昔のボーイフレンドの母親、岡田有希子と思しき後輩アイドル……

だけど少しも陰鬱じゃない。あくまで僕が受けた感覚だから理由は説明できません。ただおそらくは、死に対して過度な恐れを抱いていないのだと思います。この世で巡り合った縁に感謝する。自分が忘れないでいることが、その人が生きた証の一つになるのだという感覚。そんなことが混ぜ合わさって、独特な透明感を生み出していると感じました。
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