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川上から始めよ-成功は一行のコピーで決まる/川上徹也 

「『理念』なくして『成功』なし」
と帯に書かれています。
僕は「戦略は理念に従う」と考えていますから、非常に共感を覚えるフレーズですぐに目にとまりました。

そして、題名にある「川上」とは、
「ビジネスや人生のさまざまな場面において、それぞれの上流にあり、川中、川下を決めていく背骨になるもののことです(p9)」
と定義されています。つまり「川上≒理念」といってもいい。その理念が社内外への旗印となるよう、わかりやすく凝縮した一行のコピーが「川上コピー」になります。
本書は、あなたが関わるすべてのプロジェクトを成功に導く「旗印になる一行のコピー(=川上コピー)」の事例と、その作り方について書かれたものです(p7)

<目次 >
はじめに
第1章 「経営」「事業」は川上から始めよ
第2章 「プロジェクト」は川上から始めよ
第3章 「マーケティング」は川上から始める
第4章 川上コピーのつくり方



本書の読みどころは「第4章 川上コピーのつくり方」です。この章が理解でき、自分で作れるようになれば本書を読んだ価値は十全だと思います。だからといって4章だけ読めばいいかといえばそういうわけではありません。1章から3章の事例を踏まえず4章だけを読むと、巷にあふれている、テクニカルな面だけを強調したコピーライティングの手法と同じになってしまいかねません。本書はそれらとは一線を画しています。

大切なことは「何を」伝えたいか、です。それを「どう」伝えるかも大切ですが、「何」がなければ表面的なもの流れてしまいます。なんとなく格好良さげだけど中身のない、何も言っていないコピーになってしまうでしょう。本書ではそれを「空気化する」と言っています。

ありきたりな、手垢がついたような言葉を使ったり、格好良さそうと英語をつかったり、道徳的に高尚そうなことを入れたりすれば、すぐに空気化してしまいます。

「川上コピー」はお客様へのアピールも大切ですが、もっと重視することがあると思っています。それは、内部へのアピール、働いている人へのアピールです。働いている人に浸透しない理念はなんの役にも立ちません。浸透を助けてくれるのが、川上コピーだと僕は思います。

小さな会社や無名の会社は、もっとベタでわかりやすく、はっきりとした主張がある「川上コピー」を掲げる必要があります。そうでないと、「川中」「川下」でどんな施策を実施すればいいかが明確にならないし、誰も気づいてくれません。それでは何も言ってないのと同じで、とてももったいないことになってしまいます。(p203)

「何」を明確にする、つまり、「自社の強みを活かして社会へ、未来へ、何ができるか」というメッセージが、川上コピーの種になります。これはつくるものではなく見つけるものです。これから起業しようする人以外、すでに活動している中に種はあるはずですから。

ただ、あらためて言語化しようすると難しい。そのためのヒントも本書には書かれています。そして、川上コピーをつくることは「自分(個人)の人生戦略」を考える上でもとても有効になってきます。

個人の視点で考える場合は、川上さんのこの本も参考にするとよいと思います。


自分マーケティング―― 一点突破で「その他大勢」から抜け出す 

「理念で飯が食えるか」と言う方は後を絶ちません。しかし、理念こそが最大の差別化要因です。その理念が浸透し、すべての商品・サービスがリンクすることが、他社との違いを生んでいくのです。ですから、理念を多くのステークホルダーに理解してもらう必要があります。
そのために、一行で伝わる「川上コピー」が必要であり、大きな効果を発揮するのです。