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才能に頼らない文章術/上野郁江



文章術の本はたくさんあります。僕も結構な数の本を読んできました。しかし、編集者の方が書かれたものを読んだのは初めてだと思います。

ライターの方が書いた文章本を読む機会が多いのですが、ライターと編集者では視点が違うと感じる経験は何度もしていたので、「いままでとは違う学びがあるはずだ」と思いながら読みました。

<目次 >
はじめに
第 1 章 編集者はどのように文章を直すのか?
第 2 章 チェックシートを使って編集執筆力を身につけよう
第 3 章 文章基礎力を磨く「編集の文法」
第 4 章 文章表現力を上げる「編集の文法」
第 5 章 文章構成力を鍛える「編集の文法」
第 6 章 文章に求められるロジックとは
第 7 章 共感を得られる文章を書くには
第 8 章 書いてみる、添削してみる!
第 9 章 書き手に求められるメディアマインドとは?
おわりに

著者の上野郁江さんは、編集者として新規事業やイノベーション関連のビジネス書を担当されたあと、独立された方です。

また仕事のかたわら、慶應大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)で「システムエンジニアリング」を学び、修士課程を修了されています。

こうした背景から、編集スキルを「システム」としてとらえて、執筆にあたるスキルを体系化した内容が書かれた本になっています。

幾多の文章本を読んできた僕からすると、目次や見出しだけに目を通した段階では、既知の内容がほとんどでした。もちろん、知っていることとできることは違います。できないことが多々あるから、文章本を読もうと思うわけです。そこで気がついたのは、僕の知識が箇条書きのようにバラバラで、結びついていないことでした。

さまざまな文章術の本を読んできたので、どんなスキルが必要か、一通りの知識は持っています。自分で執筆しながら確認をして、少しずつスキルを身につけてきたと思っています。しかし、その知識は体系立ってはいないのです。
本書の冒頭に、31項目のチェックシートが付いています。さらに31項目は
「文章基礎力」「文章表現力」「文章構成力」
という3つのレベルに分かれます。

細部から全体へと説明が続くため、一度、順番通りに学ぶことで、バラバラだった知識がつながっていき、整理できたように感じました。「コネクティング・ドット」はこういうことか、というイメージです(笑)

またチェックシートは推敲の際、大きな力を発揮してくれると思います。自分の文章を推敲するときは、自分が書いたときの気持ちに引きずられ、修正点を見逃してしまうことが頻繁にありました。シートで一つひとつチェックしながら進めていけば、格段に精度が上がる確信は持てています。

ですから、本書の読みどころとして、165ページから176ページまでの「実際の校正例」があげられます。前半で知識を整理したあと、実際の校正例を見ることで、具体的なチェックポイントがわかってくると思います。むろん、読んだだけで身につくものではありませんから、元の文章と校正例を付き合わせ、自分で書くときにも同じようチェックする実践を通して、身につけていきたいと考えています。

本書は、文章力を向上させたいと思っている人は無論のこと、自分の文章のクオリティにムラがあると思う人、ある程度は書けるけれど他人にそのスキルを上手く伝えられない人にも、読む価値のある本です。

今まで類書がない本ですから、文章に関わる人はとにかく手に取ってみることをお薦めします。


<併せて読みたい本>
著者の上野さんからお薦めされた本。購入済みですがまだ読んでいません(苦笑) 僕もこれから読みます。読まなくても、手元に1冊あると重宝するはずです。

悪文・乱文から卒業する 正しい日本語の書き方