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世界のビジネスリーダーがいまアートから学んでいること/ニール・ヒンディ



原題は「Renaissance of Renaissance Thinking-A New Paradigm in Management」つまり、「ルネッサンス思考のルネッサンス-マネジメントの新しいパラダイム」です。

序章にこう書かれています

ルネッサンスのリーダーが古代ギリシャやローマの知識を求めたように、わたしたちも発展・進化を願うなら、他の時代に目を向ける必要がある。ルネッサンス的思考の「ルネッサンス」、つまりルネッサンス的思考を復興するときがきたのである。(p36)

ルネッサンスは「再生」「復活」を意味するフランス語です。転じて14世紀、イタリアで始まった古典古代(ギリシア、ローマ)の文化を復興しようとする文化運動を指す言葉になりました。
著者が述べているのは、同じように過去の時代に目を向け、その文化を復興させようとというものです。そしてその過去の時代は、「ルネッサンス期」です。

そのような本の邦題がなぜ、『世界のビジネスリーダーがいまアートから学んでいること』になったのか。
これも序章に書かれている次の一節が示していると思います。

ルネッサンスはなぜあれほど大きな成功を収めたのだろう。豊かなアイデアが生まれた背景には何があったのだろう。さまざまなアイデアや革新性をもたらした要因を挙げていくとキリがない。だが当時のようすを振り返ると、どうしても無視できない点が一つある。あの時代にはアートとサイエンス・エンジニアリング・数学・哲学が区別されていなかったのである。(p34)

専門によって細分化されてしまうのではなく、ルネッサンス期のようにさまざまな分野を学び、仕事に活かすことでイノベーションが生まれてくると考えてのです。中でも「アート」は他のサイエンスやエンジニアリング・数学などと比べるとビジネスと距離が離れてしまっています。だからこそ、ビジネスとアートを結ぶことでイノベーションが生まれてくるのだと、著者は考えているのだと思います。

<目次>
序章 ルネッサンス的思考を復興する
第1章 アーティストと起業家の関係
第2章 企業はアートを必要としている
第3章 アートとイノベーション
第4章 アートとスキル
第5章 創造的な組織
エピローグ

前半は、起業家がアートをどう取り入れているか、起業家自身にアーティストとしての素養があったかなどを具体的な事例をもとに紹介しています。
「科学者の頭脳と詩人の感性」
と説明している箇所がありましたが、言い得て妙だと思いました

既存ビジネスの継続であれば、論理だけでもうまくいでしょう。しかし、未知の領域に踏み出し、新規事業を開発する(ゼロからイチを生み出す)ためには、論理だけでは駄目。むろん感性だけでも駄目で、それを融合させること必要があるのです。

論理を引き出す訓練はMBA的なさまざまメソッドがありますが、感性を引き出すためには「アート」が有効になってくるのです。

さらに後半では、ビジネスに必要なアーティストのスキルを分析します。特に重要なのが、観察すること、質問すること、アイデアを創出すること、関連付けること、です。

これらのスキルをどのように習得すればいいかも書いてあります。アートを学ぶから絵を描かなくてはいけない、訳でもありません(描いた方がいいのだとは思いましたが)
自分の資質に合わせて習得法を考えることができ、非常に参考になります。

本書を読んだだけでアート思考ができるようになるわけではありませんが、きっかけにはなると思います。

僕自身、アートには苦手意識が強いのですが、これからのビジネスのために、なにより年齢とともに自分の頭を硬くしてしまわないために、少しずつでもアートに触れ、アーティスト的な思考を取り入れたいと思います。

<併せて読みたい本>