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ビジネスの限界はアートで超えろ!/増村岳史



「図画工作」も「美術」もずっと「(限りなく1に近い)2」でした。高校では「書道」に逃げました。いまだに美術には強いコンプレックスがあります。だから「アートシンキング(芸術思考)」と言われても抵抗がありました。

それがひょんなことから「芸術思考学会」に入会し、ビジネス研究会に参加するようになりました。参加している中小企業診断士の研究会「企業経営研究会」では、僕を「芸術思考学会」に誘った秋山ゆかりさんに「芸術思考」をテーマに講演をしてもらいました。

その流れの中で、本書も手に取ったのです。

<目次>
はじめに 第1章 ビジネスとアートの意外なつながり
第2章 アートの位置付け ――その意味と役割
第3章 アート・デザイン・クリエイティビティ ―それぞれの関係
第4章 アートのベースにはロジックがある
第5章 アートに見るイノベーションの要素
第6章 アートシンキング
第7章 実践! デッサンで思考をアップデート

日本人は論理的に考えるのが苦手だと言われてきました。欧米と比べてビジネスの場でロジカルに考えられない、議論できない、だから駄目なんだ、という論調です。

確かに会議の場などに感情を持ち込み、ロジカルな議論ができない場面に、多々遭遇してきました。日本人が論理に弱いとの指摘はよくわかります。

だからなのか、企業の研修で「ロジカルシンキング」を学んだ人は多いのではないでしょうか。僕自身、10年前、最初に受講した社会人講座は「ロジカルシンキング」でした。当時、ロジカルシンキングは人気講座だったのです。

こうした経験を積んできていますから、ロジカルシンキングの大切さは十分わかっているつもりです。ただ、ロジカルに突き詰めていくと、一つの答えにたどり着いてしまう場合が多いと思います。論理を積み上げていくわけですから、誰が考えてもそうなるよね、という地点にたどり着くはずです。

それはそれで必要ですが、新規事業を興す場合には必ずしも有効だとは言えません。いままでにないイノベーションを目指すなら、既存の論理を飛び越える必要があります。そのためには感性が大切になるはずです。つまり「ビジネスに新しい発想を持ち込むためにアートを取り入れる」必要だということです。

だからこそ、最近「アート本」が多数出版されるようになったのだと考えています。

ただ、感性は重要ですがそれだけでもないのです。アートは感性だけでなくロジックと両輪で回ります。本書ではそれを岡本太郎やゴッホを事例に説明されています。

さらに言うと、アートの位置づけとして、縦軸を問題提起・価値の創造-課題解決、横軸を感性-ロジック、とするマトリックスで示していました。言葉で説明すると下記のようになります。

課題解決-ロジック:テクノロジー
課題解決-感性:デザイン
問題提起・価値の創造-ロジック:サイエンス
問題提起・価値の創造-感性:アート


そしてこの4象限は相互に関連し合っていると言います。単純な例を出すと、絵画では、感性はむろんのこと数学的な遠近法が活用される、と言ったことです。

こうしたアートをも取り入れることで、ゼロからイチを生み出すことも可能になってくるのだと思いました。

もちろん、本書を読んだだけでできるようになるわけでありません。実践をしないと始まりませんし、それでもすぐできるようになるわけではないでしょう。自分の中に沈殿していて、いつか表に出てくるまで待つのも大切だと思います。

第7章にあるような、デッサンを実践できれば良いとは思いました。ただ、僕には敷居が高い(苦笑)。まずはアートに触れる機会を増や抵抗と思います。そして美術に根強いコンプレックスを持つ僕がなぜ「アートシンキング(芸術思考)」に興味を持ったのか、その感情を深掘りしていく中で、見えてくるものがあるのではないかと考えています。

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