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働きながら、社会を変える。――ビジネスパーソン「子どもの貧困」に挑む/慎 泰俊



*元記事は、2011年12月5日にアメブロに書いたものです。

著者の慎泰俊さんは金融系企業に勤めるビジネスパーソンです。
早稲田大学大学院ファイナンス研究科を修了されていて、僕が大好きな
■15歳からのファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、キジを仲間にしたのか?/


の著者でもあります。

と同時に、NPO法人「Living in Peace(LIP)」の代表をされています。
(当時。現在は起業をされたのを期に代表を後任の方に譲られています。むろん、現在もかかわりは持たれています)
*LIP・・・国内では主に児童養護施設向けの教育環境改善、進学支援などを行っているNPO法人
Living in PeaceのHP

この本は慎さんのNPOの活動の面について書かれています。

【目次】
第1部 体験
1 仕事をしながら社会を変えよう
2 日本の「子どもの貧困」
3 児童養護施設に住み込みをしてみた
4 現場から見えてきたこと
第2部 分析
5 五人の子どもの物語
6 背景にあるものは何か
7 虐待を受けた子どもの特徴
8 施設はどう運営されているのか
9 ハードな仕事をこなす職員たち
10 施設内虐待の悲劇を防げ
第3部 行動
11 僕たちにできること
12 実践・パートタイムの社会貢献

第一部「体験」では、
ちょっとしたきっかけから勉強会を立ち上げ、
偶然、ある児童養護施設を訪問し、
何がなく発してしまった言葉に反応した児童の言葉に、
児童養護施設を支援していくと決意して、
そこから今につながる過程が書かれていいます。

第二部「分析」では一転、
豊富なデータを提示して、児童養護施設を取り巻く現状がリアルに語られています。

そして第三部「行動」では
僕たちにできること、具体的な実践方法について説明されています。

実は、読んですぐにブログを書こうと思っていました。
しかし、なかなか書けない(苦笑)
感じたこと、考えることがたくさんあり、何を書けばいいのか迷ってしまいました。

ただ、末席とはいえ、ブログを書いている人間として、
そこで書評らしきことをしている人間として
この本を読んでしまった以上、書かないで済ます、
という選択肢はありえないとも思っていました。

自分が暮らす現代日本社会において、「子どもの貧困」がいまだ存在していることを、
彼らと、彼らを育てている職員の方々が、社会的に排除されている状況を、
その状況を改善するために、会社員でありながら努力をしている人々がいることを、
書かなくてはいけない、伝えなくてはいけない、と思っていました。

だけどやっぱり無理です(苦笑)
僕の筆力ではこの本の凄さを伝えきることはできません。

結論として言えることは
ぜひ、この本を手にとって読んでいただきたい、ということに尽きます。
(ちなみに印税はすべてつくば市にある児童養護施設に寄付されます)

そして、何を思うか?どう行動するのか?どう社会を変えたいのか?
そう自分に問いかけてほしい思います。

次の行動へのヒントがつかめるはずだと信じています。

一つだけ言えることがあるとすると、
読んでみて
「凄いと思うけど、慎さんようにはなれない」
と思ってしまうことは避けてほしいということです。

慎さん自身も最初から今のような大掛かりな活動を目指していたわけではないと思われます、この本を読んだ限り。
いろいろなきっかけが重なってここまで来たのでしょう。

ただ、
「言い出したら一人になっても続ける」
という気持ちを持ち続けたいたのだと思います。

また、みんながみんな、慎さんのようなリーダーになる必要もありません。
本書の中にも
「強みを生かせる分野で活躍する」「得意なことをする」
ということが推奨されています。

慎さんのようなリーダーを支えるために
あるいは、リーダーを支える人を支えるために
やるべき役回りもあるはずです。