にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ

ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法 /福田和也



初版は2001年と少し古めの本です。タイトルに聞き覚えはあるのですが、当時は、自分が「書く」立場になるなんて想像もしていなかったですし、福田和也さんのことが嫌いだったので(苦笑)、手に取ることはありませんでした。

最近、友人の編集者の方が
「この本に濃厚に影響を受けた」
とFacebookに投稿されているのを見かけて、中古マーケットから取り寄せました。
(なお現在、PHPビジネス新書から『』として刊行されています)

本の読み方、広く言えば情報の集め方について、そして文章の書き方(表現)について書かれた本です。情報収集の方法論のごく一部に時代的な古さを感じますが、それ以外は普遍的な、いまでも通用する考え方であり、メソッドだと思いました。

<目次>
第1章 本の「効率的」な読み方
第2章 「抜書き」の多様なメリット
第3章 本以外の情報の集め方
第4章 情報整理から表現へ
第5章 文章上達の「近道」とは
第6章 より幅広く書くために


個人的に気づきが多かったのは「抜き書き」をすること、「こんな文章を書きたいと思う作家の文章を書き写せ」、ということでした。

この二点、すでにやっています。他人に勧めてもいます。しかしなぜそれをしたほうがいいのか、まったく意識していませんでした。

でも、手書きで、抜書きしたほうがいいです。
やはり、手を動かすというのは、生理的にキーボードとは違う部分ある。 (P62)

僕は抜き書きについては、WEB(media marker)を使っています。それが無駄だとは思います。思っていたら続けていない。しかし、手書きとキーボードとの違いを別な場面で意識することがあるのに、なぜか「抜き書き」に関してはその点を考えたこともなかったです。

分解し、分析するのは真似るためではありません。 まず第一に、自分が上手い、あるいは好きだと思う文章の構造を徹底的に認識するためです。
と、同時に、その認識に従って、自分がその文章に感じている魅力は何なのか、何が自分にとって文章のよさなのか、を知ること。これは書いていく上でとても大事なことです。 (p160)

最近さぼり気味ですが、あるライターの方の文章を書き写しています。これは手書きでやっています。もともと尊敬する編集者の方から「天声人語を書き写すといい」と言われたことの延長上でやってきました。

続けていると、なんとなくやってよかったというのはわかってきますし、自分の文章も少しはましになってきたように思えます。ただこれを、「文章の構造を徹底的に認識するため」なんて目的は意識していませんでした。

どちらにも共通するのは
「コピー」
の大切だと思います。

「コピー」というとすぐにパクリだ、なんだとの話になりがちですが、たとえば、ギターなど楽器を始めるとき、いきなりオリジナルをやる人はほとんどいないでしょう。好きなアーティストの楽曲をコピーすることから始めます。

コピーをすることで、構造が身に着く。意識的であれ無意識の部分であれ、しみ込んでいくのだと思います。だからこそ、「こんな文章を書きたい」と思う、好きな書き手の文章を書き写すのがいいのだと思いました。他人から「名文だ」と言われても好きになれない文章だと、身につかないような気がします。

せっかくなので、なんとなくやってきたことを意識化して続けてみたいと思います。いいきっかけをもらえて本です。

他にも参考になることは多々ありました。人によって、その人の置かれた状況に応じて、取り入れられることはたくさんあると思います。個人的には、本を選ぶとき、またその他の情報を得るために、信用できる(好みの合う)評者(批評家)を見つけろ、分野ごとに見つけろ、とのアドバイスは役立ちました。これも今後に生かしたと思います。


*「情報収集の方法論のごく一部に時代的な古さを感じますが」
と書きました。その意味でも、中古でなく、新版を購入されることをお勧めします。

[改訂版]ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法 (PHPビジネス新書)