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『ブッダ 最期のことば』 2015年4月 (100分 de 名著)/佐々木閑



(2015年5月8日記)
NHK E-テレ「100分de名著」のテキストです。
この番組、世界の名著をわかりやすく説明してくれるので、録画して見ています、ときどき。

4月は「ブッタ 最期のことば」でした。
佐々木閑さんは以前、「真理の言葉」「般若心経」と2回、担当されていて、どちらも面白かったので、今回も全部録画して見ていました。

ご紹介するのはそのテキストです。

<目次>
第1回 涅槃への旅立ち
第2回 死んでも教えは残る
第3回 諸行無常を姿で示す
第4回 弟子たちへの遺言


今回の取り上げられるお経は「涅槃経」です。このお経は少々ややっこしい。
仏教には大きく分けて、上座部仏教(南伝仏教)と大乗仏教があります。お経にはいろいろあるのですが、これは上座部仏教(南伝仏教)、これは大乗仏教、という風に分けることができます。「般若心経」は大乗仏教ですよ、というように。

ところがこの「涅槃経」、上座部仏教(南伝仏教)にも大乗仏教にも、この名前のお経があります。そして内容は(重なり合う部分もありつつ)大きく違います。ブッダの遺言を扱っている点は同じですが、上座部仏教(南伝仏教)は最後の日に向けた旅の過程を、大乗仏教では最後の1日だけに焦点をあてています。

もちろんそこで説かれている内容にも違いがあるのですが、そこまで踏み込むと収拾がつかなくなるのでやめます(笑)

そして今回の番組では、上座部仏教(南伝仏教)のほうの涅槃業についての解説でした。僕は大乗仏教のほうには多少の知識はありますが、上座部仏教の知識はとても薄いので、その分楽しみにしていました。

そしてけっこう驚きました。これは組織マネジメント論になっていたからです。つまりブッダ亡き後のサンガ(教団)をそう運営していくのか、ということについて説かれている部分が多いのです。

たとえば、サンガは徹底した年功序列制度になっています。1秒でも早く出家したものが上になります。序列はそう決まっています。しかしこの序列、どこで使うかというと、座る順番とかものを配る順番とかしか利用しません。序列が上なことと、本人の能力とか修行の進み具合とか人格とかとは何の関係もない。あくまでサンガの運営がスムーズにいくようにしているだけです。

なぜこうしたかといえば、権力闘争が起きないようにということです。時間が経てば自然に上に行くので、無理に闘争をして上に行く必要はありません。運営上の上下であって個人の資質をランク付けした上下ではないからです。

そして誰もが悟りを目指して修行をしているわけですから、その部分に関して進み具合は、周りのみんなから見ればわかります。それはそれで、尊敬も集め、教えを乞うために人も集まるようになります。

年功序列は悪いことのように言われていますが、組織を守っていくためには有効な手段だと僕には思えました。置かれた状況によるとのですが、一方的に悪だと切って捨てるのは。知恵がないなと思います。

その他にも面白い話はあるのでが、それはテキストを読んでいただくことにして、最後のブッダの最後の最後に言われた遺言を期しておきます。この言葉は、上座部、大乗、ともに同じ言葉(なはず)です。

「もろもろのことは過ぎ去っていく。怠ることなく修行を完成させよ」

仏道云々ではなく、諸行無常で時は過ぎ去ります。自分がやるべきことを怠らず、進めていきましょう、という意味でも、大事にしたい言葉だと思っています。