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TED TALKS スーパープレゼンを学ぶTED公式ガイド/クリス・アンダーソン



数々の素晴らしいパブリックスピーキングを世に送り出しているTED。関連本は何冊も出ていますが、本書は代表自らがその舞台裏を解説しています。
(「TED」は価値のあるアイデアを世に広めることを目的とするアメリカの非営利団体です)

帯に「21のノウハウ」を書いてありますが、むろん、小手先のテクニックについて書かれているわけではありません。もっと本質の部分から説かれています。

〈目次〉
【基本】
1 プレゼンテーション・リテラシー/2 アイデアを築く/3 よくある落とし穴/4 スルーライン
ツール
5 つながる/6 ストーリーを語る/7 説明する/8 説得する/9 見せる
準備
10 ビジュアル/11 原稿を書く/12 通し練習/13 つかみと締め
本番
14 服装/15 メンタルの準備/16 ステージの設定/17 声と存在感/18 フォーマット革命
考察
19 トーク革命/20 なぜそれが重要か/21 次はあなたの番

パブリックスピーキングで本当に大切なのは、自信でも、存在感でも、口のうまさでもない。「語る価値のあるなにか」を持っていることだ。 (P28)
 
スピーキングやプレゼンテーションの話になると、テクニカルなこと、つまり話し方やプレゼンシートの作り方に傾きがちですが、本当に大切なことはそこではありません。文章を書く場合も同じですが、コンテンツがしっかりしたものでなければ意味がありません。
 
すかすかの内容をテクニックでごまかすには限界があります。できないと思っていたほうがいい。まずは「『自分』が語る価値のあるなにか」を考え、見つけ出すことが最優先です。
 
内容を考える過程で考えなくてはいけないことが3つあると、僕は思っています。自分に語る資格はあるか、なぜ語ることができるのか、を明確にすること。価値は具体的にどんなことなのかをはっきりさせること。その価値は誰かの問題を解決できるのかを明らかにしておくこと、です。
 
 たとえば僕が「宇宙開発」について語っても、価値は生みません。本を10冊読んで知識を蓄え、それを披露したところでなんらリアリティはないでしょう。僕の経歴を宇宙に何の結びつきもないのですから、語る意味がわからない。もしこのテーマでやるなら視点を変えないと無理です。ど素人が宇宙について学んでみたら、こんな驚きの発見があった! というような切り口なら可能かもしれません。
 
 そうした話なら、宇宙に興味がない人に興味を持たせる価値があるかもしない。理系の勉強が嫌い人たちに、学ぶきっかけを与えられるかもしれない。稚拙な例で申し訳ないですが、こうした思考の過程を通して、良いコンテンツを作れるのだと思います。
 
 コンテンツが決まれば、それをよりよく伝えるためのノウハウを駆使する必要があります。本書にはその点についても書かれています。話の組み立て方から見せ方、声のトーンなどさまざまなことがあります。自分でできていること、できていないことを区分けして、取り入れるべきと思うことはすぐにやってみるといいでしょう。
 
 僕が大切だと思いつつまったくできていないことがありました。
 
 どんなスタイルで話すにしても、いいトークをするためのとてもシンプルで当たり前のツールがある。でもほとんどの講演者はこれをやらない。それはリハーサルだ。繰り返しリハーサルをすることだ。 (P206)
 
1時間、2時間と長めに話す場合は、実はなんとかなります。出だしの5分と締めの5分をしっかり固めておけばいい。あとは骨格だけ決めて、時間を見ながら話していけば何とかなります。むろん、十分に知識や経験があるテーマだという前提ですが。
 
逆に短いトークの場合は、練習しておかないと時間内に収まらない恐れがあります。途中で饒舌なってしまい尻切れトンボなる場合や、焦って早く終わり過ぎることもありました。
 
だから何度もリハーサルをしたほうがいいのですが、これがなかなかできない。一人でしゃべるのは何か照れくさかったりむなしい気になったりするからでしょう。しかし、やはりやったほうがいいのだ、と思いました。ミュージシャンも俳優も、リハーサルなしで舞台に立つことは(特別な場合を除き)ありません。講演者がやらなくてもいい理由はどこにもないどころか、聞きに来てくれている人に失礼なことだと思いました。
 
人によってできていないところは違うと思います。僕もリハーサル以外にもできていないことがたくさんありました。一つひとつチェックして、取り入れていけば、プレゼンテーションは格段に上達していくはずです。

 ただそれを「形」を真似るにしないほうがいいでしょう。学ぶべきは「考え方」です。なぜそのやり方がいいと言っているのか考えながら取り入れていくべきです。なぜなら
 
優れたトークにはこれというひとつの型はない、(P2)
 
からです。
 
なんらか人前で話をする機会のある人は読めば必ず学ぶべきことが見るかる本です。そしてこれからの時代、スピーチは誰にとっても必須になってくるでしょう。いまはその機会がない人でも読んでおいて損はありません。ぜひ、手に取ってみてください。