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「人生が劇的に変わる」
と謳う自己啓発セミナーを見かけます。

確かに変わった人を何人か知っているので、全部が全部、インチキだの嘘っぱちだのというつもりはありません。だけど、やっぱり大半は、胡散臭さをぬぐえません。特に「性格改造」ができると言っているセミナーはまったく信用していません。

人が持って生まれた性格、幼少のころに育んだ性格はそう簡単には変わるはずがありません。無理やり変えようとすれば、精神に変調をきたす恐れすらあると思います。
では、なぜ、劇的に変わる人がいるのか。おそらくは、既に持っているものの活かし方を知ったからではないでしょうか。人見知りの人でも、人見知りなりのやり方で人とつながる方法を見つければ、傍から見ると人見知りには見えなくなる。そういう話だと思うのです。

経済学に「効用の最大化」「制約下での最適化」というような考え方(モデル)があります。つまり
「所持金は2,000円です。ビール1本400円、焼き鳥1本200円。それぞれ何本ずつ頼むと効用が最大化するのか」
を考えるモデルです。

経済学の話には踏み込みませんが、要はここがポイントだと思います。往々にして、2,000円を増やすことばかりに目が行ってしまいますが、その前に、この2,000円を最大に活かす方法は何かを考えるほうが必要だと思います。

手持ちのカードで勝負する。カードの使い方を変えたり、組み合わせ方を変えたりすることで、パフォーマンスが劇的に変わることがあります。それが
「人生が劇的に変わる」
ことにつながるのではないでしょうか。

むろん、2,000円を3,000円、4,000円と増やそうとすること必要です。そのために知識をインプットする必要はありますし、経験値をあげる必要もあるでしょう。しかし、「ある日突然」はあり得ません。2,000円が急に10,000円、20,000円になったりはしないのです。そして、手持ちが増えるまでチャレンジしないならば、いつまでたってもチャレンジの機会はやってこないでしょう。コツコツと増やす努力はしながら、まずはないものねだりをせず、いま持っているものをどう活かすかを第一に考えたほうがいいと思っています。

さらに言えば、そのように考えたとしても、すぐに成果が出る人と時間がかかる人がいます。すぐに出る人は「劇的に変わった」ことになりますが、全員が全員、そうなるわけではないと、覚悟しておくべきだと思います。自己啓発セミナーも商売ですから、すぐに成果が出た人のことを強調しがちです。ですから、すぐに成果が出ないと「自分はダメだ」と思ってしまう可能性がありますが、卑下する必要などまったくない。せっかくいい方向に向かう可能性があるのに、そんな風に考えては元も子もなくなります。

手持ちのカードで勝負する。そのために手持ちのカードの使い方を考える。そしてとにかくやってみる。その先にしか、「人生が変わる」ことはないのだと僕は思うようなりました、40歳を超えて。