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たった1つの図でわかる! 図解経済学入門/高橋洋一

 

「需要供給曲線だけ」を使って、経済の基本の基本を解説した入門書です。

グラフ1枚でそんなことができるのか、と疑問に思う方もいるかもしれませんが、できています。少なくとも、この本に書かれていることを押さえれば、ほとんどの経済的事象の原因は理解できるようになるでしょう。

<目次>
プロローグー経済の9割は「たった一つの図」でわかる!
1章 「モノの値段」はどう決まる?
――【ミクロ経済学】需要供給曲線を頭に叩き込め!
2章 すぐわかる! 「お金の政策」の話
――【マクロ経済学】半径1メートルの視点を広げてみよう
3章 本当はシンプル! 「日銀と経済」の話
――金融政策は「金利」と「お金の量」のシーソーだ
4章 これだけで十分! 「政府と経済」の話
――財政政策は、政府がお金を「取る」「借りる」「分配する」
エピローグ

以前、ある経済学者(のちにかなり著名な学者になる方)が、初めて大学1年生の講義を担当することになり、何を教えればいいか悩んでいたそうです。そこで恩師に相談したところ
「需要供給曲線だけを教えろ」
とアドバイスを受けました。

需要曲線、供給曲線、それぞれがどのような状況になると移動をし、そのことによってどんなことが起きるのか、それだけを徹底的に教えろ、それ以上のことは2年生になってからやればいい。これがわからなければ砂上の楼閣だ、ということです。

本書のプロローグを読んで最初に思い出したのは、かなり昔(その学者が誰か正確には覚えていないほど)に聞いたこのエピソードでした。

経済学科出身のくせに経済学が苦手だったのですが、中小企業診断士試験の科目に「経済学」があり、いやでも再度、向き合うことになりました。その時感じたことも「需要供給曲線は基本だな」ということでした。

経済学には様々なグラフが出てきます。たとえば、試験問題に頻出する代表としては「IS-LM曲線」があげられます。他にもたくさんあります。それらの多くは、「需要供給曲線」の応用と言い切って差し支えないと思います。少なくとも、需要供給曲線の基本原理を理解しているといないとでは、その後の理解度に大きな違いが生まれます。

本書を読んでこのことに確信が持てました。

この本以外にもわかりやすい経済学入門書はあります。これ1冊で「入門」範囲を十分にカバーしているとは言いきれないとも思います。しかし、今まで述べてきた理由から、あらゆる入門書の中で、この本を最初に読むことをお薦めしたい。

現実の経済動向の事例も多く載っています。「需要供給曲線」でそれをどこまで分析できるか、具体的な解説も豊富です。普段接する経済ニュースをこのやり方で分析することもできるようになるはずです。

他の入門書を読んでもなお、経済がわからないと思う方は、とにかくこの本1冊をてって的に理解してほしいです。専門家を目指すのでない限り、それでほとんど困ることはなくなります。必要に応じて、テーマに沿った入門書を読むようにすれば盤石だと思いました。

PS
「需要供給曲線」以外に学んでおいたほうがいいと僕が思うのは、「効用の最大化」「機会損失」「埋没費用(サンクコスト)」の三点です。これだけ理解できていれば、日常、困ることはないといってもいいと思います。