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「和田裕美さんの本で、どれが一番好きですか?」
と聞かれたら、間髪入れずこの本をあげます。二番目に好きなのは? と問われるといろいろあって甲乙つけがたく、その日の気分、ということになってしまいますが、一番は変わらずこの本です。

単行本は絶版になり、文庫化『超 前向き人間になれる言葉: こうして私は世界No.2セールスウーマンになった!』 )されていましたが、一部は割愛されてりしていて全部がおさめられていたわけではありません。今回、オリジナル版がKindleで発売になりました。

こうして私は世界No2セールスウーマンになった



この本、営業本のようなタイトルですが、必ずしもそうではありません。これは、和田さんの自叙伝です。書かれているのが、ブリタニカ時代(就職から日本撤退にともなうリストラまで)ですから営業の場面のことはたくさん出てきますが、テクニック的なことが書かれているわけでもありません。「こうして私は~」の「こうして」はノウハウが書かれているわけではなく、経過が書かれているのだと思っておいたほうがいいでしょう。

つまりこの本は、一人の20代女性の成長物語として読んだほうがいいと思います。人見知りで、中途半端で何をやっても長続きしなかった、本人曰く「あかんたれ」だった若者が、ふとしてきっかけで営業の世界に入り、そこからトップセールスに登っていくまでの記録なのです。

旧帝大を卒業しメガバンクに入行し、(会社の金で)アメリカ留学をしてMBAを取得し、帰国したらさっと独立し、というような、我々にはいまさら真似のできないような人が書いてものとは違います。超人的な努力をしてきた人が、「僕にできたのだから君にもできる」と呼びかけているようなものとも違います。(根底には普通ではない根性があるにしても)ごく普通の、どこにでもいそうな経歴の人が、試行錯誤しながら成長し、駆け上がっていく様子が描かれています。

最初にこの本を読んだとき、「これなら俺にもできるかもしれない」と思いました。ホントはそんな簡単な話ではないのですが(苦笑)、読み終わったときは、できるかもしらないと思ったのです。「できるかも」と思ったことが大切で、だから僕は動き始めることができた。歳も性別も違うから、まったく同じようにはできないだろうけど、動けば今とは違う、ここではないどこかにいけるかもしれない、と思ったのです。

もしこの本と出会ってなければ、会社を休んで「わくわく伝染ツアー」に行こうなんて思わなかっただろうし、あの時、「わくわく~」に行かなければ、営業職を放校されたような身で、「売れる営業に変わるセミナー」を受講しようなんて思いもしなかったでしょう。つまり、いまの僕はいなかった、ということです。

その本がKindle版とはいえ、復活したのはうれしい限りです。電子書籍嫌いの僕ですが(笑)、これは一人でも多くの人に読んでほしいと願っています。

確かに、営業の場面を通した学びが多いです。その意味では、営業を知らない人にはわかりにくい部分もあるかもしれない。でもここに書かれていることは、個別の営業のノウハウではなく、「人と関わる」ことにおいてはどんなこととも通底するに内容です。そして、前向きに生きていくための秘訣です。

ということで、ちょっとでも興味がわいたら、読んでみてください。人はまだまだ変われる。原点に戻ることができる。今日はこれからの人生で一番若い日ですから。そして「チャンスの神様は前髪しかない」。