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和田裕美の性格がよくなるメールの書き方―知らないうちに相手をカチンとさせていませんか?



和田裕美さんの大人気セミナー、(2013年7月時点)
「人に好かれる書き方講座」
の書籍化ともいえる本です。

この本も、もともとこのタイトルが予定されていたと聞いています。ですから「メールの書き方」と題されていますが、そのためのだけのスキルやノウハウが書かれたものではありません。

現在ではメールがあらゆる場面で使われるので(ビジネスもプライベートも)そこにフォーカスしているのであって、読者を想定した文章(ほとんどの文章はそうでしょう)であれば参考になることがたくさんあると思います。

僕はこの講座を3回受講してします。2009年4月、2011年7月、2012年12月、と。 (2011年に受講した時の感想はブログに書いています。
【セミナー】和田裕美の人に好かれる書き方講座

これだけ受講しているので、この本を読んで「おお!そうなのか!!」と思うような目新しいことはありません。あったら講座でなにを学んできたんだ!っていう話です(苦笑) でも、読み進めると「このことはできてないなあ」と思う点にいくつもぶつかりました。 たぶん、はじめて触れられる方は「目から鱗が落ちる」ような箇所がきっとあるとおもいます。

「ウォーミングアップの章」に「人から嫌われる文章の特徴」が挙げられています。
■強引
■自分の都合ばかり
■自慢ばかり
■捨てゼリフ系
■ネガティブ表現
■事務的すぎる
■言い訳が多い
■思いやりがない、ねぎらいがない
■責めている
■いじわるな感情
■ちょっとバカにしている

こういうメールをもらったことがある!という人も多いのではないでしょうか。そしてそのことを相手に指摘することなく、スルーしたり事務的な返信で済ませたりしているんではないかと思います。
僕はそうです。
ということは逆に考えると、自分自身もこんなメールを送り付けて、誰からも指摘されることなくいるのではないか、と怖くなります。

「あの時のメールは捨てゼリフ系だった」「あの謝罪文は言い訳が多かった」
いま考えるとそう思うメールがざくざくと思い浮かびます。

「私も怖くなった」というあなた、この本を読んだほうがいいですよ(笑)

<目次>
はじめに
ウォーミングアップの章
第1章 ポジション・ライティングー自分と相手の「立ち位置」を意識しながら書く
第2章 マップ・ライティングー「いったい何が言いたいの?」とは言わせない
第3章 IEバランスー情報(I)と感情(E)のバランスを取る
第4章 シンパシー・ライティングー共感で相手により深く伝える
第5章 ACTライティングー賞賛、思いやり、感謝の気持ちを込める
第6章 ファジー・ライティングー「断定」より「曖昧」がいい?
第7章 モチベーション・ライティングー相手に諦めの気持ちを抱かせない文章
第8章 ハナシカキ言葉ーため口パワーで相手の心をつかむ
まとめの章ー「陽転思考」と「性格がよくなる文章」の関係
おわりに


「ポジション・ライティング」は読者を想定して書く、
「マップ・ライティング」はロジカルライティング、
僕の普段の言葉遣いだとそんな感じです。
だから類書にも書かれているような内容かもしれません。(和田さんらしい、わかりやすい言葉で書かれていますが)

この本の真骨頂は3章以降。
他ではあまり読んだことがない、だけど実はとても大切なことが書かれていると思います。

目次の表題だけ見て
「なるほど、わかったぞ!」
とだけは思ってほしくない、と思います。
使い方をも違えると痛い目に会うことになる書き方もあります。

たとえば、「ファジー・ライティング」
前回紹介した「伝わる文章の書き方」には
『「~と思う」で文末を締めない』
という項目がありました。
でも和田さんは曖昧を推奨している、どっちなんだ、
なんてことにはなってほしくないわけです。

和田さんはこう書かれています。

気をつけなくてはならないの、日本人って優柔不断で、けっこう責任逃れのために曖昧にするケースがあるってことなんですね。(中略)でも、私がお勧めしている「断定より曖昧」っていうのは、自分を守るためではなくて、相手との関係よくするためにあるということが前提です。(p186) 

また「ハナシカキことば」についても

これは、丁寧語とか敬語、それから基本的な礼儀ををきちんと心得ているからこそ使える技で「私、敬語は使えないですが、タメく口なら得意です」という人には使用禁止の書き方です。(p213)

と書かれています。

どんな書き方の本にも「曖昧より断定」「話し言葉は使わない」と書いてあります。 それが基本。「ファジー・ライティング」も「ハナシカキ言葉」もある意味応用編です。基本を知らずに応用に進むのは危険です。

基本の型を知らずして、型を破ってはいけないのです。(p213)

ということです。

じゃあ、なぜ基本の型を破ったような文章を書く必要があるのか?
ということですが、それは、
「ちゃんと心が伝わって、もっと相手が元気になる」
ということが文章を書く目的だからだと思います。

そのためにどうすればいいのか、
こう考えると基本の型を破る必要が出てくる場面もたくさんあると思うのです。

どういう場面か、というのは経験でしか体得できなような気がします。
とにかく書いてみる。そしてこの本に書かれた視点から自分の文章をチェックしてみる。そうしたことの繰り返しが必要なのだと思いました。

言葉には力があります。
言葉一つで他人を幸せにも不幸せにもすることができます。
ひいては自分を幸せにも不幸せにもすることができるのです。

僕自身、たくさんの人の言葉に支えられ、力をもらってここまでやってきました。
いつか自分も、誰かの力になる言葉を表現できるようになりたい、
遠い道のりですが、それを目標に言葉を紡いでいこうと思います。
(2013年6月17日記)

(追記)
いま読み返してみると、この本は実は「応用編」なんだと思います。文章の基本の基本の部分を知らないでこの本を読むと痛い目に会いそうな気もします。
情報さえ伝わればいい、という人にも向かない本です。でも、人とつながるためには役立ちます。昔と違って、メールやSNSの発達によって、文字で意思疎通をする機会が増えてきた現代、読む価値は追いにあります。