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「話す」を「お金」に変える技術/香坂コーリー知永子



テレビショッピング番組で、買い物をしたことはありますか。僕はほとんどありません、しばらくテレビを持っていなかったので(笑) でも、少しはあります。そういえば、初めて買ったノートパソコンと、一昨年買い替えたエアコンは、ジャパネットたかたから購入したのでした。

昔は深夜、思わず見入ってしまうことがよくありました。お金があれば欲しいなあ、と思った商品はいくつもあります。その頃は、単にお金がなかったから買わなかったというだけです。

香坂コーリー知永子さんは、テレビショッピングでキャスターを務めている方です。1時間で1億円、化粧品を売ったこともあるような、敏腕キャスターなのです。

<目次>
プロローグ 話さなければ、なにも伝わらない
1章 モノになり代わって話す
2章 こうやったら売れた
3章 モノを「売る」とはどういうことか
4章 お客様とは向き合うな!
5章 おしゃべりが共感を生む
6章 言葉ではなく「ハート」で売る
7章 「心のへぇへぇボタン」をどう押すか
8章 売れる体質への自分づくり
エピローグ あなたの「思い」は相手に届いていますか?

去年、4年ぶりにテレビを買ったので、たまにテレビショッピングを見たりします。別に欲しいと思っていないはず(しかも、火急に必要なわけではない)のものなのに、見ているとなぜか欲しくなってしまうことがあります。深夜のBS放送では、各局、テレビショッピングをやっていて、これだけの番組が成り立つということは、それだけ需要があるということなんだと思います。

競争も激しいでしょうし、それぞれの番組には「買いたい! 」と思わせるなんらかの仕掛けがあるはずだ、と思います。もちろんそれは、だまして売りつけるような方法ではありません。それでは長続きしないでしょうし、発覚すればテレビの倫理規定に引っかかり、番組は打ち切られてしまうはずですから。

私の仕事は、言い換えると「良いところを探す」ことでもあります。
「どんなものにも、必ず良いところがある」と、私は本気で信じています。もはやそれは私の信念と言ってもいいものです。(p73)

どんな商品にも、長所があれば短所もあります。欠点だらけの商品なら流通ルートの乗ってくるわけがない。しかし、どんな商品を開発するにもさまざまな制約があります。一番は予算でしょう。惜しみなくお金を使えば完璧だと思えるものができるかもしれない。でも、そんなことをしては、普通の人が購入できる値段設定になりません。さらに、どんな完璧に思えるものを作ったとしても、人によって好みは異なります。万人受けする商品など作りようがありません。

だからこそ、その商品の良いところを見つけて、そこを褒める。香坂さんは「自分がいちばんの応援団長のつもりになる」と書かれていますが、そんな気持ちを持ち、強い想いで紹介することで、商品の良さが視聴者に伝わり、購買意欲をかき立てるのだと思います。

それを、「『心のへぇへぇボタン』を押す」と表現されています。

それに基づく方法論はもちろん書かれています。しかしそれ以上に、本書から伝わってくるのは圧倒的な熱気でした。アナウンサーがニュース原稿を読むような、冷静な話し方ではものは売れません。テクニックではなくハートで話す。そうした人の言葉にはエネルギーが宿ります。根性論で片づける気はないですが、そうした思いが、結果として売り上げにつながっていくのだと感じました。

そして、その熱気は、本の主テーマである「話す」ということにはとどまりません。

最近の風潮として「願えば叶う」みたいなことを言う人がいますが、願っただけでは叶いません。やはり、アクションを起こさなければ事態は動かないと、私は思います。
やってなんぼ、です。(p183)

僕は、日本には神さまがいて、願いをかなえてくれることがある、と信じている部分があるのですが(笑) 一方で、自ら動いた人の願いしか叶えてくれない、とも思っています。

以前、茂木健一郎さんが
「99%、日常を頑張ってるやつが、1%、神社や寺院に行って願い事をするから叶うんだよ。縁結びの神様にお願いをして、そのあと家で寝てるだけで結婚できるわけねーじゃん」
と言っていました(熊野本宮大社の大斎原で聞きました)単純に「願えば叶う」わけはないのです。

香坂さんがいまのポジションにたどり着くまでのことが、本書の中で少し触れられています。紆余曲折があったと想像できますが、それでも常に、強い思いでアクションを起こしてきたから、今があるのだと思います。

人はひとりでは生きていけません。仕事は無論のことプライベートであっても、他人とコミュニケーションをとるためには話すという行為は欠かせません。

営業のクロージング、プレゼンテーション、接客、講師など、仕事では言うに及ばず、自治会を取りまとめるとか、異性を口説くとか、「話す」という場面では必ず役に立つことが書かれています。

それを知って、その上で、熱い思いを持って動く。そうすることで、今とは違う人生を歩めるきっかけをつかめるはずです。